半兵衛

婚約三羽烏の半兵衛のレビュー・感想・評価

婚約三羽烏(1937年製作の映画)
3.5
上原、佐野、佐分利といった当時の新人俳優の個性を生かしつつ松竹らしいホームドラマチックなラブコメを作ってしまう松竹蒲田調の代表島津保次郎監督の安定した職人技を堪能できる佳作。高嶺の花のヒロイン・高峰三枝子もはまり役で、上流階級の立ち居振舞いをナチュラルにこなす高峰と庶民育ちな主役三人の食い違ったやりとりが可笑しい。

河村黎吉や飯田蝶子といった当時の松竹を代表する脇役俳優のサポートぶりも見事、特に面接で河村が女性の真似をするくだりは仕草といいどことなく志村けんみたいで思わず爆笑。

当時のデパートを再現したゴージャスなセットも見所。

主役三人ではいかにも真面目で頑固そうだけれど実は結構図々しい佐分利信が推し、ちなみに若い頃の佐分利はオードリーの春日にちょっと似ている。
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