真っ黒こげ太郎

フォックストロット・シックスの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

4.5
今作のMVP:YouTuber兼ブロガーのハッカー兄ちゃん。

「(作戦に参加すれば)一気に注目の的で有名人だ!セレブにもなれる!」
「ちょっ、待っt…」
(思案中)
「…俳優になれます?レッドカーペットとか。」
「何でも叶うぞ!」

…ある意味しっかりした伏線回収。
後に彼はこの世界で実録映画の題材とかになるだろうなぁ。




食料不足で経済が大混乱し、世紀末化が進みつつあった近未来。
色々あって世界経済のトップにのし上がったインドネシア。

しかし、インドネシア国内は軍人や政治を牛耳るピラナスなる政党によって支配され、国民はピラナスの圧制により虐げられ、貧困や食糧危機で苦しんでいた。

元海兵隊で現政治家のアンガは政党内でのし上がるために陰謀を進めようとするが、どさくさの中で革命軍に捕らえられてしまう。
革命軍の基地で、アンガはかつての恋人で死んだと思っていたサリと再会し、更には娘ができていたことに驚愕する。
しかも革命軍を結成したのはサリだった事が判明する!!!
更にアンガは革命側に寝返ったとされ、ブラックリストに載せられ命を狙われてしまう。

アンガは妻や娘をを守るため、かつての海兵仲間を集め革命側に付くことを決意するが…。




悪の独裁政治が実権を握る近未来を舞台に、反逆の男達が政府に戦いを挑む、インドネシア産のSF・ミリタリー・アクション。

「ザ・レイド」以降、結構な頻度で日本輸入されてるインドネシア産アクション映画。
今回はカロルコ・ピクチャーズの設立者として知られるあのマリオ・カサールさんが「ターミネーター4」以来、10年ぶり(!?)にプロデュースしたSFアクション!!!

まぁ、そこら辺は置いといて、何ともB級臭いジャケながら、何やら評判が妙に良いので新作レンタルとしてまとめ借りして観てみた。
予告編も中々泥臭そうな感じだし。


今回は「悪の政党側だった主人公が正義に目覚めて革命の為に戦う」というお話。
こういう内容は何処となく「リベリオン」を思い出しますね。
まぁあっちと違って、主人公が妻子を守ることを優先してたりするし、ガンアクションもスタイリッシュというよりは泥臭い感じの銃撃戦だけど。


肝心の内容だが、本作、思った以上に大味だった!!!www
恐らくツッコミ気質の人が観たら突っ込まずにはいられない、そんな映画。

今作では政府側の主人公が革命側に寝返る話だけど、革命側に付くまでのドラマが結構ザックリ気味だったり。
主人公、単純に奥さんと娘の方を優先してねぇか?w
後、他の6人の傭兵もそこまで生かせる無いし、革命で政府が転覆する場面など、所々雑さが目立つ所も。
(目立ってたのはロン毛髭の凄い動きの人とブロガーのハッカー兄ちゃんぐらい。w)
後、前半は主人公側のドラマに主軸を置いてるためにアクションシーンが少な目だったりするのも難点。
ストーリー自体は面白い物だったし、要所要所でアクションを入れてくるので退屈はしないで観れるけど、最初から最後までドカスカやってるような感じを期待するとガッカリするかも。


しかしまぁ、突っ込み所満載で大味な所も満載ではありますが、それを差し引いても面白かったよ!!!

まず、内容が良いよね。
先ほど言ったように政府側に付いてた主人公が革命に付くのは「リベリオン」チックな感じがしていいし「悪徳政府を傭兵数人が潰す!」ってのはベタだけど盛り上がるし。
(そういえば「エクスペンダブルズ」の一作目も傭兵部隊が悪徳政府を倒すお話だっけ、あっちは全員無敵だけど。)
ラストでおえら方に一泡吹かせるシーンも好みだし、死んだと思っていた仲間が現れ窮地を救う場面もベタだけど盛り上がる。w


映画自体もそこそこに予算が掛かっているため(それでもA級大作には及ばんだろうけど。)、ドンパチの迫力も中々高め。
何と言うかヌー・イメージ(NU IMAGE)映画の予算アップ版みたいな「お金のかかったB級アクション」感が漂っているのも楽しい。
(ジェラルド・バトラーさんの「エンド・オブ」シリーズとかそんな感じの。w)


アクションも銃撃戦、火薬の爆破に格闘アクションと何でもアリ!
(無いのはカーアクションぐらいか。)
主演や敵役など、アクションに絡む人は皆動ける人揃い。
特に格闘アクションはかなり力に入った出来で、「ザ・レイド」の様に血が出るわ、そこら辺にあるもので殴り刺すようなブルータルなアクションが炸裂。
主演俳優達の動きも良く、特にロン毛髭のあんちゃんが凄まじい動きで敵兵士をなぎ倒すシーンは凄まじい。
敵兵士が「コマンドー」みたくわざわざ銃を捨てて丸腰の傭兵と殴り合う場面も!w
傭兵や兵士達のドンパチに加え、ブルータルな格闘戦も豊富に網羅されているため、泥臭さや脂っこさも文句ナシ。
敵も兵士に加えてロボットスーツみたいな連中や透明マントで襲ってくる刺客など、ケレン味に溢れているのが好み。

しかし、あのCパート…
続編作る気満々じゃねぇか! …まぁ続編出たらチェックしてもいいかな?w


正直一作品としては大味っぷりが凄まじいし(まぁプロデューサーが90年代アクション映画でブイブイ言わせた人だからむしろ当然なのかもしれんが。w)、所々雑な場面は多め。
でも泥臭いドンパチに鋭い格闘戦や勢いに塗れた展開の連続が楽しくて、俺は好きなタイプの映画でした。w

過度な期待は禁物だけど、ドンパチや格闘アクションとかにピンと来る、B級アクション大好きっ子は観て損はないと思う。

まぁ、お目当ての大作の新作をレンタルするついでにでも借りて観てくださいな。オススメ。