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水曜日が消えたのけーすけのレビュー・感想・評価

水曜日が消えた(2020年製作の映画)
3.2
斎藤数馬(中村倫也)は幼い頃にあった自動車事故によって解離性同一性障害となり、1週の7日間で曜日ごとに人格が変わるという生活を送っていた。日曜日の“僕”は魚釣りをして過ごしている。月曜日の“僕”はバンドマンらしい。火曜日の“僕”が一番几帳面。日々の出来事はノートに記録してそれぞれの“僕たち”は生きてきた。ある日、いつもなら寝て起きると1週間後の火曜日のはずが、水曜日だった。一体自分に何が起きようとしているのか・・・






みんな大好きな(強引)中村倫也主演作!公開時観られなかったのですがようやく。

予告編をチラっと見た時に人格が日替わりって話を知って「理解できるかな…」と少し不安だったのですが、劇中9割以上が火曜日の主人公視点で話が進むので混乱する事はなかったです。
一昔前は多重人格という言い方だったようですが、今は解離性同一性障害と呼ぶようですね。



火曜日の自分が一週間ぶりにベッドで目覚めたら、隣には月曜日の自分が連れ込んだ女が!自分が知らないうちにあれこれやってるって、考えただけで恐ろしい。笑


歯ブラシやカップ、衣類やデスクも各曜日の人格ごとに別々にされており、徹底して曜日ごとで生活を分けてるってのが面白いところ。
そんな生活は、絶対に会う事のない誰かと同居をしているかのよう。

とはいえ、曜日別の人格がそれぞれやった事を記録して共有したとしても、外界と接点を持つ限り「自分、日替わりで人格変わってるんすよー」って言っておかないと成り立たない気もするけど、そういった描写は無く、なんだかモヤモヤ。


そしてある時、火曜日の自分には訪れることのない水曜日がやってくる。『水曜日が消えた』というのは、水曜日の人格に切り替わらなかったって事なのですね。


火曜日の自分が水曜日も生活できるとなると、毎週火曜が休館日だった図書館にも行けるし、行動圏も広げられる。最初は喜んでいた火曜日の自分だったけど、徐々に異変が、、、というのが中盤までのくだり。

映画ジャンルとしてはホラーでもないし、ミステリーやサスペンスとも違う少し不思議なテイストでした。


人格が分かれる原因となった事故の描写が、劇中幾度となく差し込まれるのですが、ちょっと多過ぎてげんなり。事故後の車のミラーに映る空飛ぶ鳥が人格のメタファーになっているようなのですが「またかよ」って突っ込んでしまいました…。

もうちょっと各曜日の異なった人格の描写があったり、ミステリー要素で掘り下げればさらに面白くなってたかもと思った感じです。



それでも中村倫也を堪能できたので、満足度はそこそこ高め。一応エンディングに各曜日倫也の生活が軽く映されて、倫也七変化が見られます♪
個人的には日曜日倫也が好きでした。

エンドロールにも小ネタが挟み込んであり面白かったです。が、そっちが気になって出演者やスタッフのクレジットが全然目に入らなかった。笑


2021/04/24(土) TSUTAYA DISCAS定額レンタルにて鑑賞。
[2021-038]
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