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水曜日が消えたのhassyのネタバレレビュー・内容・結末

水曜日が消えた(2020年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

ストーリーの構想がとても好みでした。

交通事故によって7つの多重人格になってしまった主人公。
各曜日で切り替わる人格は、まさに七人七色。

そんな「火曜日」人格を主としたストーリー。「火曜日」は、目覚めると前日の「月曜日」人格の尻拭いから始まる。部屋を掃除し、「金曜日」の趣味である草木に水をやり、毎週定期通院のために病院へ行き、いつか行きたいけど一生行けないのだろうと思う図書館の休館を確認し、帰宅してからは適度な運動を行うために、一人壁卓球。寝る前には、「水曜日」のためにゴミをまとめ、毎日それぞれの人格が書く日記を記す。そんな最もつまらないのが「火曜日」。
でも、ある日目覚めたら、【水曜日】だった。
図書館に行き、恋をして、デートをして…ずっとこのまま僕(火曜日)のままでいられたら…。

どの曜日も欲が出るよね。
そして、いつしか「月曜日」vs「火曜日」に。
スマホを介してのぶつかり合い。

最終的には、「月曜日」人格になるのだけれど、悟られないように「火曜日」になりすますのは、さすがです。圧巻。

だけど、最後はもう一度七色に戻ることを選択した「月曜日」。
彼らは、「一人」でいることよりも「七人」でいることを選んだ。

戻ってからのそれぞれの謳歌、そして今までにはなかった曜日間人格の交流。なんだか、ほっこり。嘘だった「僕たち仲が良いんですよ」の回収もよかったです。

でも、何よりよかったのは、「月曜日」が最後に弾いていた『朝』。
これは水曜日の曲だよね。
その優しさ?みたいなのに、グッとくるね。「月曜日」さんかっけーわ!

と、オチとかどんでん返しとかでもないけど、ストーリーが個人的に好きでした。
七人で、それぞれの服装及びロッカーやデスクが完備され、七色の付箋でメッセージを交換し合うなど、設定もちょっと笑える。

最後のエンドロールも面白かったです。必見。
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