結局カレー

水曜日が消えたの結局カレーのレビュー・感想・評価

水曜日が消えた(2020年製作の映画)
3.0
曜日ごとに変わる人格。多重人格?みたいなことかと思いきやどこか違うくて1人の身体に7人が住んでいるようなルームシェアならぬボディシェア的なシステム。厄介だけど7人がバランスをとりながら生きている様が絶妙で愛おしい。そんなある日、突然消えた水曜日。物語はミステリーサスペンスのようで穏やかなヒューマンストーリーだった。

主人格があるわけじゃなくて7人が対等に存在する”共同生活”は楽しそうな一面もあるけど窮屈そう。私たちの生活だって月曜日が連続してても土曜日が連続しててもダメで、1週間という区切りの中に可燃ゴミを出す日や図書館の休館日があって、そんな様々な曜日の彩りが生活を豊かにしている。ひとつの曜日しか生きられないって不自由だし「2日あると世界が違う」って言葉が重く感じた。過ぎ去っていく毎日、毎曜日を噛み締めないと。

せっかくならば七変化を堪能したかったけどストーリーは火曜日視点で進んでいくのでちょっと物足りなさもあり。ただ月曜と火曜のキャラクターの対比、中村倫也の実力と愛らしさがさすがだった。アンサーを求めるとつまらないかもしれないけど、受け入れると心地いい、そんな映画。