tsubasa

水曜日が消えたのtsubasaのレビュー・感想・評価

水曜日が消えた(2020年製作の映画)
3.1
『見栄えは良い、味の薄いケーキ』

幼少期の事故が原因で
曜日ごとに7つの人格が入れ替わる青年
曜日ごとに入れ替わる"7人の僕"
不便だけど、平穏な毎日
そんなある日、水曜日が消えた。

設定はすごく面白いと思う。
多重人格の主人公が曜日ごとに人格を入れ換えて日常生活を過ごす。同じ部屋を共有して日記や付箋(色)なんかで各自の行動を報告して次の人格(日)へ。
多重人格もののミステリーやサスペンスは多いけど本作の設定はユニークだしとても興味が引かれた。中村倫也の演技力は数々の日本ドラマにも出演してるだけ、魅力あるものだった。先の展開も気になってラストに期待も膨らむ、、はずだった。

ところが、全体的にすごく薄味な映画。
観る前ないし序盤は多重人格を演じる中村倫也の七変化が見れるのかな?と期待していたけど盛り上がりに欠けるしラストもなんか弱い。7人の人格がある面白い設定もいまいち活かせていなくて。期待以上のものはなかった。実際は物語の中心の“火曜日”が登場するだけで他の曜日は“月曜日”以外はほぼ登場しない。それならよくある二重人格作品と差異はないし、だからといって悪く言うと王道の筋道しか通ってなかった(なんちゃって月曜日はドキッとしたけど)。勝手に期待を膨らましてがっかり感。食べたら薄味でした。

エンドロールのおまけで7人の付箋でのやり取り。これがなかなか面白くてこれを本編でもやればいいのにと思った。凄く面白い作品にも成り得たのに、150分位の長編でもっと深いものを観たかった。
多重人格ものでは『ジョナサン2つの顔の男』おすすめです!
tsubasa

tsubasa