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リチャード・ジュエルのesewのレビュー・感想・評価

リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)
2.5
2020.11/4

悪くはないけど、良くもない。

スクープをゴリ押して誤報の口火を切った記者が自身に過ちを認識してからも謝罪したり償ったりするシーンがゼロなので、母親の訴え見て「いやなんでお前が泣いてんねん?」ってシラける。

FBI、やり方が違法な上に過ちも認めないで捜査取り下げだけ通知した上に最後までてめーはクロだとか証拠もなしに言ってるの頭がイカれ過ぎてる。100億ぐらい賠償金払って襟を正してほしい。

プロファイルって一世を風靡した捜査手法だと思うけど、現実で警察組織が運用する時に対象となる容疑者に対して倫理的な問題がめちゃくちゃあるなと。こういうのはいちいち録音したり記録に残して検証可能にしておかないと容易に偏見と差別によって罪のない市民の権利を踏みにじって私生活を破壊するということを考えるべき。マスコミの野放図な報道も然り。現代ならSNS上での吊し上げも同じ。

繰り返されるlaw&orderとlaw enforcementが印象的だった。田舎にいる名もないふつうの保守の人って権威に従順なんだなと。権威に寄与したくて自分の居場所を探している。それゆえに法執行官と権威をごちゃ混ぜにしがち。主人公は最後の方でやっとその誤謬に気づいたわけだけれど。

警察という権威が法を執行する時に、雑な手続き、根拠ない恣意的な判断、偏見と思い込みで捜査して市民を弄ぶの最低じゃない?っていう真面目な真面目な小作品でした。
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