映画好きの柴犬

リチャード・ジュエルの映画好きの柴犬のレビュー・感想・評価

リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)
3.8
プロファイリングという人権侵害

 アトランタ五輪で爆弾の第一発見者となった警備員リチャード・ジュエル(ポール・ウォルター・ハウザー)が、FBIのプロファイリングとメディアによって容疑者として追い詰められていく様を描く、実録クライムサスペンス。

 クリント・イーストウッド監督得意の実録物。FBIの強引な捜査と、プロファイリングやメディアによる決めつけと印象操作でステレオタイプな犯人に祭り上げられていく怖さを描く冤罪ものの側面と、少々型破りな弁護士(サム・ロックウェル)と信頼関係を築いてFBIに対抗してくバディものの側面がある。後者の方は結構コミカルなシーンもあって、テーマの重さをちょっと中和してバランスをとっている印象。

 しかし、冤罪ものを見るたびに、法治といっても所詮は人による解釈と運用でなんとでもなっちゃうし、叩けば埃が出ない人なんていないわけで、他人事じゃないなと思っちゃうよね。