おとうちゃん

リチャード・ジュエルのおとうちゃんのレビュー・感想・評価

リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)
3.6
冤罪!

一刻も早く犯人を捕まえたいFBIと何処よりも早くスクープが欲しいマスコミが作り上げた爆弾テロの容疑者は、爆弾テロから民衆を救ったヒーローだったから…さあ、大変!

「犯人がほしい!」
世の中の焦りが生んだ冤罪…人はこれを悲劇と呼ぶ。
イーストウッド監督、マイブームのノンフィクション最新作。

「この子はいつかは大きなことを成し遂げる」
世の中の注目を浴びるヒーローになった自慢の息子が、朝起きたら爆弾テロの容疑者に・・・
いきなり天国を見せられてから地獄に落とされる…そんな母親の葛藤を名優キャシー・ベイツが見事に演じきる。
彼女がスクリーンに登場すると、画面が引き締まるのは『ミザリー』のイメージのせいじゃない😅ト、シンジタイw

最近観る映画 観る映画、ことごとく登場しているサム・ロックウェル。
この人が演じると“癖のある弁護士”が“癖の強い弁護士”になっちゃうから…あら、不思議!

事件こそ違えど、日本もこの映画と同じ悲劇を生んでいる。
96年オウム真理教による松本サリン事件で被害者でありながら警察とメディアから犯人扱いされた河野さん。
彼の講演を聞いたことがあるが、警察の理不尽な自白強要、信頼できないリーク情報を元に見切り発信するメディア・・・
真犯人が捕まるまで、終わることなき疑心暗鬼。

冤罪はこうやって作られる!