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雨月物語のbluebeanのレビュー・感想・評価

雨月物語(1953年製作の映画)
5.0
セット、構図、陰影の技が相まったショットの数々が完璧に美しくてカッコ良いです。人混みの流れの中に京マチ子の怪しさを際立たせるシーンや、狭い屋内でカットを割らずに展開させるところなど、見ていて飽きません。

そしてなんといっても、蝋燭などの火で幻想的な光を演出しつつ、それに本作のある重要な設定を象徴させているのが上手い。特にラスト付近の夜明け前のシーンなどは本当に最高でした。

百姓が金銭欲や出世欲に目が眩み、琵琶湖の霧の中のシーンを境に幻想的な世界に入っていきます。そして最後には元の世界に戻ってくることで、冒頭から何が変化しているかを際立たせる構成もすごく好きです。
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