上田秋成の雨月物語を題材にした映画。雨月物語の中の2篇「浅茅が宿」と「蛇性の婬」、そしてモーパッサンの「勲章」をモチーフにしている。
焼物売りの男が妻子を置いて焼物を売りに行くが、その先で美しい女…
"この世ならざるもの"の描き方が非常に技巧的。カッと照らす光と影のコントラスト+俳優のおどろおどろしく憎悪溢れる演技に、裸にされた弱々しい姿の主人公で恐怖が増大。
湖畔での妙に明るい光に包まれたシー…
溝口健二による演出と早坂文雄によるスコアとが相俟って、作品全体に不思議な妖しさが漂う。カメラの長回しがもたらす画面の緊張感は同時に不気味さを宿している。観る人の解釈が及ぶ内容と物語の奥行きが素晴らし…
>>続きを読む 辛くて苦しい話なのは変わりないし、帰ってこない人、償えない裏切りはあるけど、溝口映画としては全然救いも希望もある着地点だったのがよかった。
坊やがずーっと寝てるから、この子まで死んでたらどうしよ…
父権社会の地獄を、重たい霧のように、細やかな香の煙のように圧倒的な描写力で見せつける。
欲望に駆られた享楽的で移動的な男と、不安と不幸に身を削がれ身動きが取れない女。物質的な豊かさが画面を華やかにし…
溝口健二監督の作品は初視聴。いくつかレビューを読んだが、なるほどって思わされた。金と立身出世のチャンスに目が眩んで、陶器を大量に焼いて都へ売りにでる兄弟。兄は、朽木屋敷の死霊に憑りつかれているうち…
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