身も蓋もなく言ってしまうと韓国版『ブリジット・ジョーンズの日記』なんですけど私はこっちの方が断然見易い。それはあっちの主人公がクリストファー・ノーランどころではなく普通に何のひねりもなくトム・クルーズ主演映画が好きそうな人種なんだけどこっちの主人公が好きな映画は小津安二郎だからだ。その違いが全てのトーンの違いを生む。
ユン・ヨジョンに杉村春子の役割を担わせるのだいぶ正解だなと思いながら観てたら終盤笠智衆まで担わせたぞ。その要求に対してユン・ヨジョンがしっかり真芯を捉えて打ち返してくるの、この人も結構な怪物だよね。チャンシルさんが泣いてたところ完全に『東京物語』での原節子の「私ずるいんです」でしょう。
一瞬西田尚美に見えるタイミングがちょくちょくあるチャンシルさん。だいぶ庶民的になった西田尚美と「私ずるいんです」とレスリー・チャン。だいぶ庶民的になった韓国の西田尚美の中で東アジアの仲間たちが仲良くスクラム組んでるところに私は笑いつつ涙ぐんだよ。レスリー・チャンよりトニー・レオン派だから笑えただけなのかもしれないけど(エブエブでのパロディは笑えるのかちょっと自信ないです)。
