サイクロプス

ブロードウェイと銃弾のサイクロプスのレビュー・感想・評価

ブロードウェイと銃弾(1994年製作の映画)
4.0
オーセンティックなウディ・アレン作品って感じ?
品はいいけどオシャレに走ることなく、恋に深入りすることもなく、全編にアイロニーが満ちている。基本コメディだけど、ウディ・アレンらしくギャハハではなくニタリとさせられる。


アメリカ黄金時代の1920年代が舞台で、バブル景気のニューヨークをギャングが闊歩する。「華麗なるギャッツビー」と同じ頃。
芸術家肌の劇作家の台本をもとに、ギャングの親玉が愛人を出演させんがために興行資金を出し、大物俳優を招き、紆余曲折ありながらも成功を夢見てブロードウェイにかける舞台劇を作り上げていく話。


アレンの嘲笑は全ての出演者に向けられ、さまざまに小馬鹿にされている。
過去の栄光を引きずって全てがオーバー・アクションな大女優、食欲を抑えれずにどんどん太っていく俳優、甲高い声しか出せないのに大役を欲しがるギャングの愛人、子分には威張り腐っているくせに愛人にはとんと弱いギャングの親分。

そして、アレンの嘲笑の最終標的は主人公に向けられている。才能はあるのに機会に恵まれなていないだけと自負する劇作家デイヴィッド。彼ににチャンスが転がり込むところから物語は始まる。
後はみてのお楽しみ。