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ブロードウェイと銃弾のめぇこat新アカウント稼働中のレビュー・感想・評価

ブロードウェイと銃弾(1994年製作の映画)
3.9
ウディ・アレンの映画って、「ジャケットから漂うシャレオツ感」が苦手で、何となく避けていました。

私、アメリに三度トライして、三度眠った女なので、オシャレ映画は敬遠してしまうのです。本当は見たいんだけど。晴れた日曜に小さい劇場に行って、午前10時の映画とか超見たいんだけど。

そんな訳で、テレビで放映してたのを自動録画しとるやん〜と、あまり期待せずに見ました、初・ウディ・アレン作品。

ストーリーは、パッとしない劇作家が、マフィアのボスの愛人(大根演技)を抜擢するのを条件に、上演資金を手にするところから始まります。
純情な劇作家を手玉にとる往年の名女優。
凄まじい食欲を誇る体重コントロールへったくそな男優。
犬を溺愛するファニー女優。
そしてキンキン声の大根な愛人。

そんな一癖も二癖もある俳優陣に翻弄され、しまいには愛人のお目付役でもあるヤクザな男に演出に文句をつけられる、可哀想な駆け出し劇作家が主人公です。

主人公と大女優の歯の浮くようなセリフの応酬が、「オシャレ感」甚だしいやり取りになるかと思いきや意外にシニカル。いや、さそり座の男・魚座の女とか言い出した時は嫌な予感したけどさ…。

全体を通しても、コメディとトラジディの狭間を綱渡するような、不思議な見心地の作品でした。これは、どういうジャンルになるんだろうなあ。

情愛を交わすシーンで頻発した“Don’t speak”というフレーズを、終盤である人物が告げたシーンが印象的。
こんな姿を目の当たりにしたら、そりゃあ挫けるよなあ。
「天才の狂気」を目の当たりにした男が、自らの舞台にかける才能と情熱に見切りをつけ、最後に取った行動が物悲しい。