母ちゃん

ひとつの太陽の母ちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

ひとつの太陽(2019年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます


呪詛の衝撃が凄まじく自分の中で台湾映画ブームが来ています。

韓国映画の容赦なさでもなく、日本映画の陰鬱な感じとも違い、寡黙だが核心をついて来る感じがとても好きです。

先ずこちらの映画のタイトルに注目。
”ひとつの太陽”ですが英題にすると”A SUN”なんです。そう‼︎1人の息子って事よね!?これには痺れました。

父親は優秀な長男しか我が子と認めてなかった。だからお子さんは?と聞かれたら【1人です】と答えていた。だがその長男が亡くなった今でも【1人です】と答える。それは人生をやり直そうと頑張っている次男の事を言ってるのだ。

まぁーなんて身勝手な父親だよって思うけどね😓でも彼が我が子の為に悪友を殺してしまったと知った時(あぁ‥親なんだな)って思ってしまった。我が子の幸せだけを考えた父親の事を私は責められなかったのよ。絶対に間違ってるのは分かってるけどそれでもこれが親心よね。

その告白を聞いた時の妻の表情がね複雑なのよ。怒りとも安堵とも取れる。泣き叫びながら夫と抱きしめ合うあの姿。墓場まで持って行きますよね。

多くを語らない台湾映画。次男が何故犯行に及んだのかも長男が何故自殺したのかもハッキリとはしてません。

長男は優秀でイケメンで優しくて非の打ち所がない青年でした。でもそんな彼が誰よりも影を持っていたんだね。誰も知らない影を。

人生間違いだらけの次男が生き、人生でたった一度の間違いで死んだ長男。その間違いは”飛び降りる”と言う選択をした事。

2時間半の大作で気軽に観れる映画ではないけど鑑賞出来て良かった。
台湾映画がこれからクルな。
母ちゃん

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