あちゃん

夏時間のあちゃんのレビュー・感想・評価

夏時間(2019年製作の映画)
3.8

夏休みに10代の少女オクジュは
父と弟ドンジュと田舎の祖父の家に
引っ越す事となる。
ドンジュはすぐに環境に馴染むが
オクジュは慣れる事ができずにいた。

𓂃 𓈒𓏸𑁍‬𑁍‬𓏸𓈒‬‬ 𓂃




幼い頃会っただけのおじいちゃんは
歳のせいか口数少なく寝てる事が多い

父親の事業失敗で両親は離婚し
母親に捨てられたという気持ちから
オクジュは母を避けていた

彼氏が居るものの連絡は一方的で
本当に好かれているのか分からない

一重まぶたな事に悩んでいて
整形費用を父に貸してくれと頼むも
話を聞いて貰えず……



そんな多感な時期のオクジュが
知らない土地で過す夏休みのお話です。









なんの盛り上がりもなく
ただ過ぎてく夏とオクジュの心を
日常生活から垣間見て行く作品。



作物がたくさん育てられてる庭や
日当たりがよくミシンの置かれた2階
ピンクの蚊帳と麦わら帽子
レトロな扇風機に床でする昼寝
外でスルメを炙って飲むお酒

夏を象徴するものが沢山出てくるのに
暑苦しくなくて寧ろ涼し気。
おじいちゃんの家は懐かしさを感じて
そこで過す孫たちの心境が
何故かめちゃくちゃ理解出来る。





作物に水やりをするおじいちゃんに
手を振ると笑顔で手を振り返してくれて
唐辛子や葡萄やトマトを収穫する

日当たりの良い窓辺でご飯を食べて
おじいちゃんの誕生日を祝う

時にはお父さんと喧嘩をしたり
弟を泣かせたり……
止めに入ってくれたおじいちゃんの優しさに
わたしは泣きそうになった。







心底ノスタルジーに浸る。
ああ、凄くいいなあ、これ。

オクジュの感情が爆発して終わるんだけど
それもまた凄くいい。



夏休みって長いようで短いよね。

ちょっと先取りしちゃったな。
夏に見ればよかった。

ソフトな是枝監督作品って感じ。