ベべべっち

よりそう花ゝのベべべっちのレビュー・感想・評価

よりそう花ゝ(2019年製作の映画)
4.2
紙の花🌸

アン・ソンギが主演というだけで前々から楽しみにしていた作品。
ちゃんと内容も素晴らしかったです。

去年観た、同監督作の『大切な人を想うとき』はそこまで好きじゃなかったんだけど、今作は良かった。
やはり、アン・ソンギの存在がデカいのかな…

生きる希望を失っていた親子が、困難に立ち向かいながらも前向きに生きる母と娘に出会って、希望を取り戻していく再生の物語。

主な登場人物は4人。

・主人公(アン・ソンギ)
…葬儀屋、納棺師。物静かないぶし銀。

・主人公の息子(キム・ヘソン)
…下半身不随で自暴自棄気味。

・隣に越してきた女性(ユジン)
…主人公の息子の介護士として働く。可愛い。

・女性の娘ちゃん(チャン・ジェヒ)
…何かとアン・ソンギに関わる。いい子。

<あらすじ>
主人公のアン・ソンギは1人で葬儀屋切り盛りしながら、下半身不随となった息子と2人暮らしをしている。
経営が苦しくなってきて家賃もロクに払えなくなってきた為、安定した生活を優先し大手の葬儀屋と契約して自分の事務所を畳む。
ある日、アパートの隣に母子家庭の親子が引っ越してきて、成り行きで息子の介護士として雇うことに。
過去に何らかの深い事情を抱えていそうなのに底なしの明るさを見せる母娘。
そんな彼女らと接していくうちに、心が荒んでいた親子の何かが変わろうとしていた…。

そして、主要人物4人の物語と並行して描かれる、とある男の葬儀問題。
その亡くなった男に、炊き出しなどの世話になったホームレスたちは彼の葬儀を行いたいが、彼自身に身寄りがいなくお金も無いために、葬儀をすることができない。
そこで頼られるアン・ソンギ。
彼は無事に葬儀をすることができるのか。

アン・ソンギのいぶし銀全開の演技、娘ちゃんの可愛さ、どんな状況でも笑顔を絶やさないユジン、足が動かない役を見事に演じたキム・ヘソンさん。皆、良かったです。

あと、役所の人間に立ち向かう、アン・ソンギ率いるホームレス軍団もカッコよかった。

物語も、もう少し観たいような気はしたが、多くは語らない感じも、これはこれでアリだったかも。