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家に帰る道のazuureのレビュー・感想・評価

家に帰る道(2019年製作の映画)
4.2
アジアン映画祭2020にて🎞

みんな渦めく正解の分からない着地に対してしっかり考えて、それぞれがそれぞれの行動を起こしてみたり不器用な結果になっていたり、落とし所のない感情との付き合い方にもがいていた。

オッパ(サンウ)の行動とか、何であそこでもっと安心させたりする気の利いた言葉言えないのーーという分かりやすくも分かりにくくもあるジョンウォンへの接し方は“誠実さの現れ”だったように思う。

ロマンチストで自分よがりな男性だったら、すぐに嘘みたいに飄々と「僕が全て受け止めるよ」みたいな、中身は無いけどとりあえず蓋をするみたいな言葉が出ていたんじゃないかな。ちゃんと自分の心の中に入れて、受け止め切れないほど悩んで、消化の仕方も彼女の苦しみの行く先も考えて考えて、向き合ったらあんな行動しかできなかったんだろう。

ここからは少しネタバレも入りますが、
高校生の頃の性犯罪の発生から犯人逮捕まで10年、そこは区切りでもなんでもなくてこれから先の人生にも付き纏うものであるにも関わらず、くだった判決はたった懲役5年で、あーやるせないなって。不条理だなーって悔しかった。
付き纏うトラウマにも強く向き合いながら平穏で幸せな日々の中に身を置き、温かく過ごしてきたジョンウォンの凛とした強さと、叔父叔母の明朗さが救いだったよ。あと妹の姉が大好きだってことも。
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