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はなれ瞽女おりんのやのレビュー・感想・評価

はなれ瞽女おりん(1977年製作の映画)
4.8
瞽女役ということで、おりん演じる岩下志麻は終始目を瞑っての演技であるにも関わらず見事に瞽女を演じ切っていて、よく"俳優は目で演技をする"なんて言うけれど、そんなものは嘘っぱちだなと思った。それに彼女の独特な佇まいは、それこそ目を瞑っていながらも圧倒的なものがあって、単に色気だとかそんな言葉では片付けることが出来ない。それが演技なのか、女優・岩下志麻の持つ雰囲気なのかはわからないけれど、とにかくこういう女優さんは今時はいないよなぁと惚れ惚れしました。また、瞽女という共同体の成り立ち、その生活が丁寧に描かれていて、歴史文学的な価値も非常に高い作品であるように感じた。
そして、なによりも原田芳雄の野性味あふれるアウトローな色気が凄まじい!とにかくかっこいいです。
以前観た、同監督の『卑弥呼』同様、神様に成り損なった女の、罪と罰の物語という感じでした。
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