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羊飼いと風船のslowのレビュー・感想・評価

羊飼いと風船(2019年製作の映画)
4.2
太陽に透かしてごらんなさい。大切なものが見えるまで。雨に濡れてごらんなさい。傘と知らずにさすのなら。風に吹かれてごらんなさい。間に合わなくなるその前に。知ることのできるものは、知らなくてもいいことばかりで、知ろうともしない口が、生きとし生けるものを侮辱している。

最近鑑賞したものの中でも抜きん出て映像の美しい作品だった。埃っぽく少し褪せたような色調が良く、ロングショットで景色を切り取ることで、その土地の風土やにおいまでも伝えようとする。随所にフー・ボーが多用したようなハンディ映像があったり、幻想的な水場のシーンはカルロス・レイガダスの見せた風景のよう。それらを観るだけでも価値のある作品だと思う。
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