たぬき

羊飼いと風船のたぬきのネタバレレビュー・内容・結末

羊飼いと風船(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

中国による迫害以外にチベットについての知識が全然ない状態で見たから、これを見てチベットのことがよくわかった!と思うのは危険だとは思うけど、あまりにも知らない景色ばっかりだからもうドキュメンタリーを見てるみたいな気分だった。
子どもたちの演技はまあ子役って感じなんだけど、大人勢は演技が上手いから、本当にそういう人に見えちゃって、余計にね……

輪廻転生自体はチベット仏教に限らず他の仏教にもある考えだと思うけど、タイとかのは全ての生命に転生し得るから人間に転生する可能性はめちゃくちゃ低いって考え方なんじゃなかったっけ?

当たり前のように身近に転生する世界観って、ちょっとSFみがあるわね…自分も(何かの、ではなく)誰かの生まれ変わりなんだと思って生きるのって、、、って書いてたら漫画「ぼくの地球を守って」を思い出した。
まあ、普段はそんなこと気にせず生活してるんだろうけどw

夫がツッコミどころ多すぎるけど、まあこんな地域のこの世代(知らんけど)は教育もまともに受けてなくて世界が狭いから、みたいなことなのかな〜と思ってたら、学校でそれなりの教育を受けていそうな長男が「堕さないで!産んで!」って言い出したところは本当に同情したね。
やっぱり科学とかの教育が行き届いてないだけじゃなくて、男尊女卑がずっと受け継がれてるってことよね。
死んだ人が人間に生まれ変わる前提の社会だと、出産の持つ意味が大きくなるから、女は産む機械だっていう思考にならざるを得ないのか。
いや〜、この家でみんなのことを考えてるのなんか自分だけじゃんって感じる瞬間、どんなに辛いことか…。

日本に暮らす超・テキトーな仏教徒としては、信仰は結構だけどそれが健康とか毎日の暮らしに優先したらダメじゃん、って思っちゃうんだけど、彼らには彼らの考えがあるんでしょうきっと…
大人が精神安定を求めてマインドフルネスを始める、みたいなのとは違うわけだし、バランスとりなよって言われても、そういうもんじゃねえんだわ!ってなるんだろう。うーん、やっぱり教育しかない?

もっとたくさんの人に見てほしい。

制作国:中国になるのね。悲しい。
たぬき

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