CANACO

ジェントルメンのCANACOのレビュー・感想・評価

ジェントルメン(2019年製作の映画)
3.8
2019年イギリス、2021年日本公開。ガイ・リッチー監督・脚本作品。『スナッチ』が好きな人は間違いなく楽しめる作品。複数グループが同時進行に動いて、複雑に絡み合うストーリー展開、スタイリッシュかつコミカルな映像とガイ・リッチーらしさ満点で楽しい。

物語は、イギリスで12の大麻農園を運営しているミッキー・ピアソンが、莫大な富を得たことにより引退を考え、アメリカ人の富豪・マシュー・バーガーに4億ポンド(約500億円)で大麻事業を売却する取引を持ちかけることから始まる。

同時にミッキーはゴシップ紙の編集長・ビッグ・デイヴの恨みを買い、目をつけられる。デイヴは、ミッキーに敷地を貸している貴族のひとり・プレスフィールド卿の娘・ローラが家を出て、交際中のロックスターの影響でヘロイン漬けになっていることを嗅ぎつける。
この2つの火種から勃発する、大麻事業経営者夫婦とその右腕、ゴシップ紙の編集長と私利私欲に走る探偵、貴族とギャングとマフィア、さらに特殊訓練を受けたスラム街出身のチーマーとそのコーチの話。

間抜けだけどマフィアよりも強いチーマー「トドラーズ(よちよち仲間)」とカッコ良すぎるコーチを見ると、ガイ・リッチー節だけどアップデートした今っぽさを感じられるし、ワルたちもより頭が良くなっていて、飽きさせない。
語り手はヒュー・グラントだが卓抜した調査能力を持つがとことんゲスい探偵役。チャーリー・ハナム演じる彼にゆすられながらも一歩も引かないミッキーの右腕との皮肉の応酬がエッジ効いていてスリリング。

「いつものガイ・リッチー」だけど、伏線回収からのどんでん返しもあり、個人的には大満足の傑作。やっぱりおかわりしたくなる。
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