回想シーンでご飯3杯いける

ドリーとキティ ~輝け人生!~の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

3.7
ハッピーなロマコメみたいなパケ写と、実際の内容は微妙に違う。既婚の従姉と、靴工場でトラブルを起こして転職したばかりの従妹。2人に共通するのは、ずばり性に関する悩みを持っている事。

旦那と上手くいかないとか、彼氏ができないとかなら、従来のロマコメと変わらないのだが、本作は2人の不遇の要因が、インド社会に蔓延る男尊女卑にある事を描いていく。また、2人の性欲を結構ストレートに描いているのも特徴で、セックスシーンも何度か入る。僕の知る限りでは、ここ5年ぐらいで見掛けるようになったインド映画の新しい潮流と言えそう。

特に印象的だったのは従妹の転職先が、男性に電話でのお喋りやテレフォンセックスの相手をするサービスを提供する会社であった事。最初は、変態の客に言葉の暴力を浴びせられるなどネガティブな描き方であったが、やがて彼女は予想外の行動に向かっていく。

日本でも、AV女優や風俗嬢等のセックスワーカーの人権を見直す取り組みが注目されているが、本作にも、それらの動きとのリンクを感じる。