ちろる

ドリーとキティ ~輝け人生!~のちろるのレビュー・感想・評価

3.7
何よりびっくりしたのが、インド映画でこんなたくさんベッドシーンがある?って事。

でも、ロマンティックじゃなくて、なにかと生々しいセックス描写はインドの女性を描くこの作品にとってとても重要な意味をなしている。

「ムンバイダイアリーズ」でもそうでしたが、まだ男尊女卑の傾向が強くあるインドでは、女性が映画監督として堂々と目立つことができる場がそう多くはない。
そういった意味でこのNetflix映画のように直接世界を主戦場にして現代のインド女性の生き様をリアリティをもって見せてくれるのはとてもいい傾向だな。

主役のドリーとキティは従姉妹同士、ドリーは家庭を支える主婦でありながら現在の生活に不満を抱えていて、キティは独身でドリーの住むデリーの街に出てきたばかり。

2人が互いの苦しみを吐露しながら支え合うのではなくて、近い存在だからこそ、弱味を敢えて隠して、更に互いをどこかで牽制し合ってドツボにハマっていく感じが妙に共感してしまった私。
大人になればなるほど、そうだよね、そうなんだよね、、
本当はもっと早めに互いの苦しみを露わにしていれば良かったってのは部外者の意見であり、自立している事や、充実満たされている事が大前提になってしまう都会の街でなんもか居場所を見失わないように踏ん張る彼女たちのことを誰が責められようか?

ドリーの悩みなんてそりゃなかなか人に伝えられないだろうし、キティの転職先なんてちょっと、色々とちょっとちょっと!ってな世界だけど、これが都会のインドのリアリティだとしたら色々と考えさせられる部分もあります。

ポップなタイトルの割にはシリアスな部分もあったけど、そこが個人的には見応えのあった作品です。
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