ゆゆゆ

春江水暖~しゅんこうすいだんのゆゆゆのネタバレレビュー・内容・結末

4.8

このレビューはネタバレを含みます

ひさしぶりに映画館で観たら
これがまた書き残したくなる作品だった。

「春江水暖」(監督グー・シャオガン 2019年/中国/150分)@Bunnkamuraル・シネマ2

印象に強く残るのは
横長パノラマなカメラワークで
河の流れに沿ってゆっくりと流れるようであること
絵巻を拡げていくような画面の動きで
スクリーンに吸いこまれていくような穏やかな気持ちになっていく

空から地上に向けて
鬱蒼とした木立を撮していると
次第に葉と葉の切れ間に
下を歩く登場人物たちの姿が
ピンホールカメラのように浮き彫りになってきて 微かな感動

四季の移り変わりと合わせるように
四兄弟それぞれの親族の問題が描きだされている。

その中で年中行事や冠婚葬祭も多く
紅包と贈り物を相手に贈るシーンがとにかくすごく多い。

反面で皆それぞれ多額の借金に追われていて
親族間でお金と老いた母の介護を
取り立て押し付け
ひとり娘を金持ちと結婚させればオールOKっていう圧とか
それぞれの胸の内を思うと
悪がいない分、苦しい。

中国の事に疎いのだけど
おそらく…
一人っ子政策以前生まれの父親達四兄弟と
政策ど真ん中に生まれている孫世代
そして2016年からは二人っ子政策に変わった現代…
三世代で考え方の差異があるところも感慨深い。

パンフレットも読み応えあって◎
ゆっくり反芻しよう。
出演者の殆どが
監督の親類縁者であるという事が
1番驚いたところかも☆

この家族とは別の話になるかもしれないけれど
2部3部と続くようなので
グー監督の今後にまた期待✔︎
ゆゆゆ

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