デブチンバラ

春江水暖~しゅんこうすいだんのデブチンバラのレビュー・感想・評価

4.5
監督が意図するように、この映画はまるでカメラで山水画を描いているかのようだ。ついつい風景の美しさに目が行きがちだが、しかし、この映画それだけではない。家族の有り様もしっかりと描いている。監督のグー・シャオガンはこれが長編デビュー作だそうだが、亡きアンドレイ・タルコフスキーとテオ・アンゲロプロスの真の後継者たり得る。そしてこの作品にはホウ・シャオシェンや北野武的な良さも紛れ込んでいる。恋人同士のやりとりがあったかと思うと、男は服を脱いで川を泳ぎ始める。カメラはその姿を追いながら、かなりの距離を移動する。男が泳ぎ終わると恋人の女性と再び合い、二人は水辺を会話しながら散歩する。そして、船へと乗り込み、船は出航するのだが、その一連の動きを想像を遥かに超えた長回しによって捉える。このカットには完全にやられた。
デブチンバラ

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