くわまんG

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編のくわまんGのレビュー・感想・評価

4.0
あらすじ:力は、困っている人のために使いなさい。そうすれば、どんなに強くうちひしがれても、また立ち上がれます。

原作ファンには問答無用でオススメ。あの号泣シーンやあの号泣シーンが、これ以上無いアニメーションと劇伴で彩られていて号泣します。

ただ、原作の世界観再現に成功しているとは言え、劇場版ならではの神憑り演出などは無し。原作と同レベルの感動を呼ぶ力作でした。残念だったのは、主題歌の存在感が皆無だったことぐらい。

人の疎外感や孤独感、あるいは業に寄り添い、背中を支え押してくれる『鬼滅の刃』。ピンチに何が身を助くか、力(お金)はどう使われるべきかなど、期せずしてコロナ禍における正解まで内包してるんだから、冗談抜きで時代を動かしてますよね。

鬼(欲を貪る連中)や、鬼にゴマすった者勝ちだった世界が、崩れ始めて一年。一人一人が鬼殺隊の心構えでいられれば、スタンドアローンコンプレックスで世界は良くなっていくなんて絵空事が、僅かですが現実味を帯び始めているように感じられます。でも、多くの人は善行を貫けるほどの経済力も精神力も無いのだから、ノブレスオブリージュをなせと説く煉獄さん。たとえ力が不十分でも、これで心が燃えなきゃ漢じゃないですね。

この調子で、全編の劇場版を作ってほしい。一転大衆性を失う最終話は、どう描かれるんでしょうね。出来によっては、観た子供達に計り知れない良い影響を与える気がしてね、楽しみで仕方ないです。