てっぺい

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編のてっぺいのレビュー・感想・評価

3.5
【主役が食われる映画】
主人公が鬼に…ではなく他のキャラに取って食われる映画。でもその分ラストで号泣、人物像掘り下げまくりで、主人公達の事ももっと好きになる。映像美も抜かりなし。話題作として然るべき映画。
◆概要
原作:吾峠呼世晴による同名漫画
監督:外崎春雄(テレビ版から続投)
アニメ制作:ufotable
◆ストーリー
大正時代の日本。鬼に家族を皆殺しにされ、生き残った妹の禰󠄀豆子も鬼に変貌してしまった炭治郎は、妹を人間に戻し、家族を殺した鬼を討つため、鬼狩りの道を進む決意をする。蝶屋敷での修業を終えた炭治郎たちは、短期間のうちに40人以上もの人が行方不明になっているという無限列車に到着する。
◆見どころ
映像美が素晴らしく、そして泣ける。2時間で最小限の登場人物、そしてそれぞれの人物像掘り下げまくりで、鬼殺隊3人の事がもっと好きになれる。主役を完全に食う煉獄さんには、眩しすぎるカッコよさと、そして涙が止まらない。

◆以下ネタバレ

◆泣ける
今日テレビシリーズ26話一気見で臨んだにわかです。ただどの話よりも圧倒的に本作が泣ける。しかも主役ではないキャラクターで。炭治郎達を継子と約束し、列車の大半を守り、上弦の鬼にも炭治郎を気遣いながら立ち向かう正義の塊。強き者は弱き者を守れと母から教わった煉獄が没前に残した言葉は、炭治郎達の未来への期待。これで泣けない訳がない。主役をサブが食っちゃう映画は数あれど、これほど終始主役そのもので、かつ泣かされたキャラクターもいないのでは。
◆人物像
物語前半の夢の描写で、各キャラの人物像をしっかり掘り下げるところも憎い。家族を惨殺された人物が家族と幸せに暮らす夢を見る事の依存性と残酷さなんて、心が感情移入を拒否する程想像を絶するけど、それだけ改めて炭治郎の想いがズッシリ残る。そしてその分善逸と伊之助の夢が簡潔すぎて笑えた笑。個人的には伊之助の煉獄への男惚れと、魘夢の夢眼への無敵っぷり、そして被り物から溢れるほど泣いてしまう彼のキャラがどハマりでした笑。
◆劇伴
魘夢の増殖して列車を包んでいく体のうねり。映像美が素晴らしかったし、煉獄vs 猗窩座のバトルについていたBGMが少し異様で、めちゃくちゃしびれた。本作のアニメ制作ufotableはジブリや京アニに並ぶ大きな会社らしく、一気見したアニメシリーズでも至る所に映像美を感じたけど、本作ではそれがより際立っていたと思う。
◆ちょっとだけ
どうしても映画単体として見てしまうのだけど、上弦の鬼の登場はあまりにも唐突だったので、もう少し理由づけが欲しかった。まあ、これは原作を忠実に切り取った結果なのだろうけら、諸々しょうがないのかもしれないが。
◆トリビア
○ 本作「無限列車編」は原作からテレビアニメとして1クールで放送するには分量が足りず、映像化した際の放映時間や内容のドラマ性の面も考慮すると映画という形態にする方が最適という判断がなされ企画が始動した(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/鬼滅の刃)
○ 公開初日から3日間の興行収入が46億2311万7450円、観客動員数は342万493人で、日本国内で公開された映画の興行収入、観客動員の歴代1位を樹立した。(https://news.yahoo.co.jp/articles/47dd1566c0cb14de41e18bfbf51a7d593949cc1e)
◆他にレビュー載せてるのでよかったら↓
https://www.instagram.com/teppei_movie/
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