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権力に告ぐのTAMUのレビュー・感想・評価

権力に告ぐ(2019年製作の映画)
4.0
これはなかなか。骨太社会派映画として、きちんとエンタメしてるし、雑な展開にならない。
原題『ブラックマネー』だが、邦題が原題を超える的確さ。

2019年11月に本国公開ぽいけど、賞レース的には去年?確実に入ってきそうな、脚本、社会的正義を啓蒙する力強いメッセージ。

資産価値の高い銀行が叩き売りされた実際の事件をベースに描かれた物語。
当て逃げ事件の被害者の女性が、聴取に当たったゴリ押し検事、通称”ゴリ検”にセクハラされた遺書を残し自殺。ゴリ検が、自らの汚名をそそぐため、まさに縦横無尽に巨大な権力に立ち向かう。

見た目からして100kg越えのヒーロー、チョ・ジヌンがまあステキ。現代のヒーローとして、チートはするが、体はデカくても暴力は振るわない。
表面的に上司に従いつつ、上手いこと立ち回る姿に共感させられるし、勉強になるw

そして、国際弁護士役にイ・ハニ。自分はこれまでイ・ハニの演技は誇張感があって、あまり買ってなかったんだが、本作で見直した。
冷徹かつ揺れ動く正義感。この映画、日本版作って米倉涼子にやってもらいたいw

元財務大臣としてイ・ギョンヨン先輩が登場した時点で「あ、こいつやってんな」と思うが、相変わらずの間と余裕と目ヂカラと、得した気分になる。

更には、我らがオ次長(イ・ソンミン先輩 by「未生」)が検察トップとして登場。静観な姿と正義感に悶絶。

あと、プチオタ自慢になるが、元アイドルグループ4minutesのソヒョンが出てるなんて知らなかったのに気付いた♪
自殺した女性の妹役。声で確信w
ちょっとだけの出演だったが、俳優業で初めて見たので胸が熱く。

正直、金融事件ということで、どうしても話が難しくついていけないところもあったが、製作者側の気配りもあり、どちらかというと製作者側が観客を甘く見ない姿勢を感じた。

蛇足だが、「のむこれ」サイトには「検事の方、1,000円」て書いてますけど、使われた方いるんやろかw
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