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若さと馬鹿さのkoheiのレビュー・感想・評価

若さと馬鹿さ(2019年製作の映画)
4.3
古アパートで同棲して暮らすある男女のはなし。貴哉は極端に空っぽな男として描かれるけれど、おそらくその効用もあって桜が不思議なほど魅力的な人間として立ち上がってくる(松竹史桜さんは追いたい)。ていのいい男女の恋愛を見させられたってこうはなっていないだろうから、この映画の魅力というのはやはり、何も考えてない(ように見える)男と、彼に尽くしてしまう女、というその関係性にこそあるんだろーな。空気感がとってもよかったからあと40分くらいあってもよかった。「転」のあとの「結」(のようなもの)があまりにも性急だったから、それならむしろないほうがよかったかも。引きっぱなしの布団に第三者が侵入、桜は友人が来れば布団をたたみ、そののちまた布団を広げる。恋愛/性愛/友情というそれぞれの関係性によってちゃんと違いを見せているああいう所作がスクリーンに映し出されるとグッときてしまうな。彼女たちがはじめて会った日のカレー(タカヤのカレーはルーとごはんに分かれてて、桜のはワンプレート。そのあとはふたりともワンプレートだった)も気になる。カレーつくってるところに手洗いにいくやつもめっちゃいい。冒頭の剃毛からまぁかなり好きな映画でした。

アップリンク吉祥寺の最終上映ということでゲストにはゆうたろうくんが! 『殺さない彼と死なない彼女』もおもしろいよ!とくにそのゆうたろうくんと箭内さんのシークエンスはどれもすばらしい。
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