RAMPO

ジャッリカットゥ 牛の怒りのRAMPOのレビュー・感想・評価

2.8
これは一体何を見せられているんだろう?
ジャケ写の煽りと勢いにてっきりアニマル(モンスター)パニック的なものを想像してたんですが、そういう感じじゃないですね。

確かに逃げ出した水牛を捕らえようと右往左往する住民に、それを聞きつけて分け前に与ろうという近隣住民が徐々に増加して、しまいにはこんな山間の村のどこに居たんだって程の大群衆が怒濤の如く押し寄せる。
クライマックスだけ見れば異様なテンション、もはや笑うしかない文字通り“人の山”なんですが(ここだけは一見の価値あり)。

一方の水牛は極普通の、そこら辺に居そうな奴で、追われれば逃げるし、捕まりそうになればそりゃ暴れますわっていう、本当に何の変哲もない水牛。
なので異常な群衆と普通の水牛の対比が際立つ、んだけど、だからこれ何?と。

本作では冒頭と劇末に聖書の引用らしい字幕が入り、何らかを象徴している模様ですが、聖書に詳しくない私には何が言いたいのか分かりませんでした(エンディングに付加されたシーンも含めて)。
あと、一応の主人公はいる?のだと思いますが、誰が誰やらよく分からなかった。

全編を通じて妙にリズミカルで、かつ、舞台となる山村、自然や文化や慣習などをザッピング編集した映像が美しくスタイリッシュに感じただけに、脚本やキャラ設定によってはもう少し面白くなったんじゃないかと。
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