フジタジュンコ

ジャッリカットゥ 牛の怒りのフジタジュンコのレビュー・感想・評価

3.6
「イエス様 マリア様 ヨセフ様」もそうだったが、なんとも言いがたい生っぽい、湿っぽい、言い換えればケーララ州のことなんて1ミリも知らない私ですら「リアルっぽい」と感じられてしまうほどの、肌感のある作品である。

ほとんどVFXに頼らず、生身の人間たちと生身の一頭の牛、4つのアニマトロニクスを用いて、緊迫感のある長回しで「人間」の姿を暴いていく。クリスチャンの多いケーララ州らしく、というかクリスチャンであるペッリシェーリ監督ならではというか、タイトルになっている「牛」より鬼気迫る「人間」が印象的。これは劇場のスクリーンで見たかったな〜