豚肉丸

Krabi, 2562(原題)の豚肉丸のレビュー・感想・評価

Krabi, 2562(原題)(2019年製作の映画)
4.1
タイのクラビという街のドキュメンタリーと、フィクションの物語が絡み合うお話

ドキュメンタリー的な映像とアノーチャ・スウィチャーゴーンポン監督の独特な映像が相まって、滅茶苦茶変なドキュメンタリー(?)映画に仕上がっていた...そもそもドキュメンタリーなのかもよくわかりませんが...
このアノーチャ・スウィチャーゴーンポン監督の、映像の流れをバッサリ切って別の人物の様子を映したり、突然別の人物が主役になったりという難解な群像劇スタイルは発揮されていたが、『暗くなるまでには』と比べるとあまり上手く機能していなかったような気がする。
『暗くなるまでには』は物語自体が反復と想像の構成になっており、この独特なスタイルが噛み合わさって唯一無二の映画になっていたが...この映画はそこまで効いていない。

物語の軸は「女性の失踪」と「名も無き女性のクラビの探索」と「映画撮影」の3つに分かれており、何の説明もないまま別の軸に移動するので物語の全体像を掴むことが難しい。映画が終わってもどんな物語だったのか説明することもできない。
印象に残るカットもそれなりにあるんだけど、やっぱり『暗くなるまでには』と比べるとどうしても劣ってしまう感じはする...

この監督の作品って独特で面白いけどやっぱり難解だな...
豚肉丸

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