【時と文化は水と油だった】
アート監督ベン・リヴァースとアノーチャ・スウィチャーゴーンポン共同監督作。
恵比寿映像祭に来たので張り切って観たのですが、期待外れでした。
タイのクラビで映画撮影する様を中心に幾つかのネタを鏤めていく。閉館間際の映画館に現れ、消えた女。クラビに遊びに来た外国人が現地の食堂に来るもの会話ができず困ってしまう話などが並べられていく。
映画を撮るとは撮られた時点で過去である。しかし、映画館で上映されるのは更に過去だ。という過去、大過去の関係性や、内側から観たクラビ、外側から観たクラビの関係性を模索しようとする意思は感じられる。
しかし、軸が散漫となってしまい、結局退屈な観光映画になり下がってしまった。
写真美術館2Fで展示されていたベン・リヴァースのナマケモノを延々と映すインスタレーションの方が明らかに面白く、やはり二兎追うものは一兎も得ずと感じた。