うめ

ブータン 山の教室のうめのレビュー・感想・評価

ブータン 山の教室(2019年製作の映画)
4.1
教師の仕事に身が入らず
オーストラリアへの移住を考えるウゲン
そんな彼に上司が命じたのは
世界一の僻地ルナナ村への短期の赴任だった


実在する村らしいですが
首都から辿り着くまで八日間
しかも六日間は山歩きという過酷な道行き
しかし
そこで暮らす人々の
電気もほとんどなければ
ヤクと共存した
一般的な豊かさとはかけ離れた生活なのに
あの柔らかな表情はどうしたことか
子供達だけでなく
大人に至るまで
都会の視線とは違う
純粋な尊敬の眼差し
気がつけば
教師として
一人の人間として
真っ直ぐに向き合えるようになったのに
雪とともに帰る日はやってきて…
たぶん戸惑う人もいたと思うのだけど
終わり方が個人的には素晴らしかったです
そして
村の人々が歌う「ヤクに捧げる歌」
シンプルなのに力強く
全ての自然と調和し
宇宙の深淵を感じさせるような
なんとも言えぬ風情がありますね

幸福度No. 1のブータンの国民でさえ迷いはあるようで
目の前の幸せってのはなかなか気づけないし
幸せと思えばどんな生活も幸せだし
何が幸せなのかって難しいものです
うめ

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