エイガスキー

劇場版 ハイスクール・フリートのエイガスキーのレビュー・感想・評価

3.0
テレビアニメ「ハイスクール・フリート」の劇場版作品。
テレビアニメ版のハイスクール・フリートは空戦、戦車戦とは違い、海戦は地味だというハンデを認識し背負った上でどうすれば面白くなるかを工夫した佳作だと思っている。
多少の嘘を混ぜつつ、ミリオタを納得させるリアル志向でうまくバランスの取れた作品だった。

ところが、この劇場版はそれが見事に崩れていた。
あの奇跡的なバランス感覚をどこで無くしたのか。

まず最初のシークエンスが良くなかった。
映画のお約束として、最初の1/3は設定やキャラクターの紹介に当てられる。
だがこれはテレビアニメの続編なので、大胆にカットしても良かった。
現に世界観や設定の紹介はカットされている。
キャラクター紹介を兼ねた祭りの部分もカットすれば、前半に感じたグダグダを無くせたかもしれなかった。

また嘘のつき方も下手になっており、嘘が許容できない範囲に広がってしまっている部分もあり、若干しらける。
そのスーパーウーマン一人いれば作戦もクソもないのでは?となってしまう。
こういう作品で「流石にそれはない」と思わせたらおしまいなのではないだろうか。

キャラクターも凡庸で個性が死んでおり、展開をグダらせてまで見せた「強運」と「悪運」の設定がまったく活かせていなかった。

空のストパン、陸のガルパンは有識者一同納得の布陣だと思うが、海が不在だった。
自分はそこの枠にハイフリが入るんじゃないかと思っていたが、この劇場版の出来ではそれも揺らいでしまった。

大和型戦艦4隻の一斉射撃等見所もあるだけに余計に残念に思えて仕方がなかった。