あんがすざろっく

THE CAVE サッカー少年救出までの18日間/THE CAVE ザ・ケイブ レスキューダイバー決死の18日間のあんがすざろっくのレビュー・感想・評価

4.0
3度、タムルアン洞窟の中へ。

「13人の命」、「THE RESCUE」と続き、こちらもタイのタムルアン洞窟遭難事故を描いています。
三者三様、描くフォーカスによって、事故を多角的に知ることができます。

映画的な作風に寄せたか、ドキュメンタリータッチに寄せたか、どちらとも取れる作品ではありました。

既に知っている展開を2作続けて見てしまったという失敗から、新鮮さはないものの、しかし前2作になかった視点が、本作を1本の作品として成立させています。

救出作戦中、13人の子供達とコーチは、どんな思いで助けを待っていたのか。
ここの描写が僅かながら描かれていたこと。
安堵と自責の念がどうしようもなく入り混じったコーチの嗚咽が印象的。
あのコーチが、恐怖に支配されそうな子供達の心に平常心と団結力を与えてくれましたよね。
どうかコーチの気持ちも救われますように。


そして、救出作戦に参加した軍隊やダイバーの活躍よりも、少年達の無事を祈った村の人達の姿がしっかりと描かれています。

また、お役所仕事の腹立たしさも際立つ演出。
これが救出作戦を長引かせた要因の一つではないかと思わせられます。

確かにタイ政府は必死だったと思うし、軍隊も生死をかけて懸命に救出活動をされたと思います。

ただ、この遭難事故を解決したのは、村の人達の(自分達が汗水流して作り上げた田畑を水没させてでも)少年達を救いたいという思いと、世界中からボランティアの人々が集まったことで、色々な国の考え方がぶつかり合い、話し合って、解決策を模索していったからだと思うのです。
あんな救出方法は、自国の人達では思いつかなかっただろうし、思いついてもとても実行には移せなかったでしょう。


自分には珍しく、同じテーマの作品を見続けてしまいました。
ソフト化やレンタルが難しい作品にも触れることができるのは、配信サービスの良いところですね😊
あんがすざろっく

あんがすざろっく