けーはち

今日もどこかで馬は生まれるのけーはちのレビュー・感想・評価

3.3
3兆円産業の華々しい中央競馬の舞台裏で、競走馬たちのセカンドキャリア、サードキャリアについて追ったドキュメンタリー。引退で繁殖馬になれるのはごく少数、6割程度は乗馬になるが、その他は……正確な統計は取られておらず、巨万の富が動くギャンブルビジネスの裏で、TV等では語れない所を牧場関係者が吐露する。

とは言え、馬ならこんな風に人間の気にかけてもらえて、おまけに競走に勝てば優雅な余生を送れる目がある分、ビジネスに利用されるために生まれては死んでいく産業動物の中ではまだマシとも言える。生まれながらに産業に搾取される運命を負う彼らだが、産業が潰れれば、そもそも生まれてすらいない。どっちが良いのかと一概に言えない。人間の産業のために生まれては去って行く彼らを、我々はただ虚心坦懐に見つめるしか出来ないのであった。