さくぞー

still darkのさくぞーのネタバレレビュー・内容・結末

still dark(2019年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

カッコイイとは、こういうことさ。高評価に違わぬいい映画だった。主人公が目の見えないハンディのある人物だが、とにかく観た感想は"青春映画"。
あまりにファンタジー・実際の大変さはこんなもんじゃないという意見もあるかもしれないが、自分は本作を大肯定したい。やっぱりこういう作品があってこその物語(フィクション)だろう。ラストはちゃんと書いた履歴書を持ってきたと解釈。
働きたい動機が「ナポリタンがマジで美味かったから」っていうシンプルさなのも好感。

ひたむきに努力するユウキも、自然体で接してくれる先輩で真の陽キャなケンタも、厳しくも情に厚く見守る料理長みんなカッコイイ。全員が一人の人間として描写されている。
もっと嫌な人間に遭遇したりもしてるんだろうけど、どこかに絶対こういう人たちがいる、こういう場所があるという希望を見られた。そして空き缶に石当てるシーンや料理長の誕生日サプライズするシーンとか青春すぎる。直前「食べ物で遊ぶな!!」とキレてから、写真撮る時には自分からケンタとユウキの間に挟まり肩組む料理長の「そういうとこノリいいんかい!」みたいな細かい人物造形も奥行きがある。

仕事中とナポリタン教える時のケンタかっこよくてギャップ惚れ。他の時も良い意味でユウキに気を遣わない絡み方が本当にいいやつだなと。「足音と匂いでわかった」「うわ怖っw、俺どんな匂い?てかさっき自転車に邪魔されてたろ」「見てたのかよw…助けろよ」「アレくらい余裕っしょ」「アレ余裕じゃないヤツだよ」「ゴメンゴメン」ここが最高。
ユウキとしても、ケンタと料理長がナチュラルに接してくれてるのがいいのかなと思える。こういう風に色んな人と接することができたらなあ。
練習していい感じにできたナポリタン落とした時に帰ってきたケンタが「うわぁあもったいね〜〜ッww」ていつものリアクションしてくれたのめっちゃ救われたんだろうなと思える。

映像:=====B
脚本:======A
編集:======A
俳優:=======S
人物:=======S
音楽:=====B
音響:====C
【MVP】ケンタ
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