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評決のpherimのレビュー・感想・評価

評決(2019年製作の映画)
3.3
DV訴訟を通し、フィリピン裁判制度へ疑義を呈する意欲作。傷だらけの母娘を誰もが目前にしながら、誰かの意志でなくシステムの不備から暴力夫へ有利な状況が作られる様に呆然。メンドーサ作品と言われて観たらそう信じられるほどブリランティズムに貫かれ、肉感描写の歯応え充分。

ところでこの邦題「評決」は、明確な誤り。原題"Verdict"直訳のつもりだろうけれど、合議制裁判でなく担当裁判官個人の裁量であることがストーリー的にも決して小さくない意味をもつため、シンプルな直訳題狙いにしても『裁決』とか『判決』が相応しい。

 ブリランテ・メンドーサ連ツイ『ローサは密告された』『アルファ、殺しの権利』『AMO 終わりなき麻薬戦争』他:
 https://twitter.com/pherim/status/1150715223172452352
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