あき

聖なる犯罪者のあきのレビュー・感想・評価

聖なる犯罪者(2019年製作の映画)
4.0
2021年 劇場鑑賞3本目、そしてポーランド映画は初。
かつて罪を犯したが、”善く”生きようとした青年。
いわゆる”罪”は犯してないが、欺瞞に溢れ真実を隠蔽する村人。
軽い嘘からその小さな村で司祭として振る舞わざるを得なくなったその青年によって村人たちは次第に真実に向き合い始め多くの人が救われていく。
しかし”過去”は彼を手放さず引き摺り落とし破滅させる。
人々は”彼”に救われたが、彼は”彼自身”のために葬り去られるのだ。
劇中、どこから来たのかと村人から問われた彼が、”これからどこに行くのか?じゃないのか?”とつぶやいたその答えが最後まで余韻として残り、
ラストの衝撃に、これはこの映画を観た人たちがどのような答えを出すのか試されている。
肩書きや経歴は、あくまで”過去”であり”評価たるもの”でしかなく、なにかを生み出すのは必ずしもそこではない。
ふと、役所広司が偽弁護士ながら村を救った「合言葉は勇気」(2000,フジテレビ系)を思い出していた。
あき

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