Melko

長くつ下ピッピの冒険物語のMelkoのレビュー・感想・評価

長くつ下ピッピの冒険物語(1987年製作の映画)
3.7
「ちなみに、12たす15は27ですからね。」
「分かるのに聞いたの?」
「13たす14は?」
「だいたい…67」
「いいえ、27です」
「12たす15が27でしょ?どっちなのか決めて」

原作を読んだことがない。だから、これが原作にどれだけ忠実なのかとかはわからないけど、子供の頃に見てたらもっと違う感想だったんだろうなぁ。
大人になってから初めて見たからか、周りの大人目線で見てしまい、ワガママ放題でルールを守らず、頑なに自分のやり方を押し通そうとするピッピにちょっとイラっときてしまった。
大人たちは別に意地悪しようと思ってやってるわけではない。彼らの街、彼らの子育て、彼らの正義と考え方で生きている。
誰がどう見たって、子供が一軒家に一人暮らしするのは異常だし、自分の子供がそんな家に住む子供とつるんでたら心配だってする。
まぁまぁカオスなことして大人に迷惑と心配をかけておいて、終盤のあの行いだけで手のひら返しするなんて、大人もだいぶ都合いいなとも思ったけど。

私自身ちょっと保守的なところがあるからか、「オーストラリアではね…」とか「カレカレ島ではね…」とか、しきりにピッピが語ろうとするところがちょっと胡散臭く感じてしまい。ホントに行ったのかわからないことは信じられないし、嘘つきなんじゃないかって思っちゃうかも。どちらかとゆうとあの孤児院の偉そうな同級生に肩入れしちゃう。
ルールはルールなんですから。守ってこそ信用できる人間。
あと食べ物で遊んだり、食べ物を投げるのはやめなさい。

ただ、気丈に振る舞ってても、母親が亡くなってる事実には悲しそうだし、サルと馬がいるとはいえ、1人の孤独もしっかり噛み締めていて、そこは親目線で守ってあげたくなったり。
ラスト、1人のクリスマスの夜に今まで関わった人たちが歌を歌いに来てくれるシーンはちょっとグッと来た。

所々かかる歌がとっても80年代って感じ。
”Pippi longstocking is coming into your town, the one no one can keep no no no no, the one who’s fun to be around〜♪”って歌。めっちゃ頭に残る。
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