Jeffrey

ファミリー・ネストのJeffreyのレビュー・感想・評価

ファミリー・ネスト(1977年製作の映画)
3.5
本作は住宅難のブダペストで夫の両親と同居する若い夫婦の姿を、16ミリカメラを用いてドキュメンタリータッチで5日間で撮影した、22歳の鮮烈なデビュー作で、この度BDボックスで発売されたの購入して初鑑賞したが良い。不法占拠している労働者を追い立てる警察官の暴力を8ミリカメラで撮影して逮捕されたタルベーラ自身の経験をもとにしているそうだ。映画で世界を変えたいと思っていたとタルベーラ自身が語る通り、ハンガリー社会の鮮烈さを直視する作品となっていて、社会と世界で生きる人々を見つめる眼差しの確かさは、デビュー作である本作から一環されていたのだなとわかる。1977年ハンガリーの映画でモノクローム。

監督自身このような造船所で生活のやりとりをしているいわば不格好で惨めなプロテリアたちを16ミリの手持ちカメラで撮影したにはある理由があったらしく、彼自身は映画は大好きでよく見に行っていたのだが、自分が映画館で目にするものは全てが偽りであって、本物ではないと言うことで本物の映画を作らないのなら私自身が本物の映画を作ってやると考え長編一作目を作ったらしい。と言うことで77年に撮影が始まり79年に公開されてハンガリー映画史上最も若い監督というのが彼らしい。さらに逸話があって、当時のハンガリー映画界のしきたりは、公式に訓練を受けてない人材が映画界で働くことができず排除されがちだったが、彼がマンハイム国際映画祭でグランプリを獲得したことによって、またファミリーネストが高く評価されたので、映画学校もこの優秀な人材を受け入れざるをえなくなって、国立演劇映画専門学校への入学が認められ、映画演出コースに学ぶことになったそうだ。
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