別れたかつての恋人
胸の奥にたいせつにしまって時折想い出し
少しの切なさと甘酸っぱい記憶を暫し味わう
そんな風に己の"これまで"を積み重ね前に進む
全ての人がそういう訳ではなくて
前に進むために綺麗さっぱり"無かったこと"にする
そういう生き方を選ぶ人もいる
37分という短い時間に映し出されたふたり
7年ぶりの再会
突然目の前に現れたかつて愛した人に
どんな眼差しで、声で
それぞれの戸惑いが繊細に
探るように言葉を交わし
やがてその頬に思わず手を触れて
…いつしか
互いが向き合っているのは"現在 いま"の彼/彼女なのか
それとも7年前の彼/彼女なのか
ふたりと共に少し躊躇いながら
別れの前に戯れあった海岸
彼の優しい声も
彼女の無邪気な表情も朱い服も
過去の思い出は無色になる
…無かったこと、ではなく、無色…
監督と主演の足立さんの舞台挨拶付きでした
描きたいことを互いに理解して作品を創る
お二人の信頼関係が鑑賞後の余韻にプラスされて。
jan and naomiを聴きながら