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ふたつのシルエットのjamのレビュー・感想・評価

ふたつのシルエット(2020年製作の映画)
3.9
別れたかつての恋人
胸の奥にたいせつにしまって時折想い出し
少しの切なさと甘酸っぱい記憶を暫し味わう

そんな風に己の"これまで"を積み重ね前に進む

全ての人がそういう訳ではなくて
前に進むために綺麗さっぱり"無かったこと"にする
そういう生き方を選ぶ人もいる


37分という短い時間に映し出されたふたり

7年ぶりの再会
突然目の前に現れたかつて愛した人に
どんな眼差しで、声で

それぞれの戸惑いが繊細に

探るように言葉を交わし
やがてその頬に思わず手を触れて

…いつしか
互いが向き合っているのは"現在 いま"の彼/彼女なのか
それとも7年前の彼/彼女なのか
ふたりと共に少し躊躇いながら

別れの前に戯れあった海岸
彼の優しい声も
彼女の無邪気な表情も朱い服も

過去の思い出は無色になる

…無かったこと、ではなく、無色…


監督と主演の足立さんの舞台挨拶付きでした
描きたいことを互いに理解して作品を創る
お二人の信頼関係が鑑賞後の余韻にプラスされて。

jan and naomiを聴きながら
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