真っ黒こげ太郎

ヘルウィンの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

ヘルウィン(2019年製作の映画)
3.8
借りちゃいなよ!そんな便乗B級映画なんか!



鳴らない言葉を もう一度描いて♪

赤色に染まる時間を 置き忘れ去れば♪

哀しい世界は もう二度となくて♪

荒れた陸地が こぼれ落ちていく♪

一筋の光へ♪



※ガ○ダムに関しては全くの無知です。ゴメンちょ。w
でも良い曲ですね。




ハロウィンパーティーで盛り上がる学生達。
だが、パーティーに参加していたトリック(Trick)ことパトリックが、突如ナイフを持ち学生に襲い掛かり次々と切り裂いてゆく!!!
途中で生き残りに反撃され事態は納まるが、学生4人が殺される大事件となる。

そのまま逮捕され病院に収容されたパトリックだったが、すぐさま脱走し、邪魔者を殺しながら逃走!!!
駆け付けたデンバー刑事に撃たれて高い窓から落ちるが、何処ぞのブギーマンの如く姿を消し川に飛び込み姿を消してしまう。

パトリックは真面目君で虐められてもいない、にも拘らずなぜこのような惨劇を引き起こしたのかは全く分からなかった。
そしてそのまま、事件は迷宮入りとなった。

だがその翌年、同じハロウィンの日にまたしても殺人事件が発生!!!
また翌年、その翌年にも惨殺事件が巻き起こる!!!
デンバーは犯人が生きているパトリックの仕業だと思い込み、犯人を追うが…。




毎年ハロウィンの時期に殺人事件を巻き起こす殺人犯”トリック”を、捜査官が追う、スラッシャー・ホラー。
監督は「ブラッディ・バレンタイン 3D」のパトリック・ルシエさん。
フィルマでは現在も原題のまんまですが、「ヘルウィン」の邦題&どっかで見た様なジャケ(爆)でGEO先行レンタルされてます。

上の茶番はジャケを見た途端やらなきゃならんと思った。w
反省を促すダンスを見せられるまでもなく反省しています。w
(でも公開はしていないw)

さて、それは兎も角、本作はあの「ブラッディ・バレンタイン 3D」の監督と聞いてスプラッター目的でレンタル。
(でも同監督or脚本「ドラキュリア」「ターミネーター:新起動/ジェニシス」でガッカリしていたのであんまり期待はしてなかったが。)


お話はハロウィンの日に理由も分からぬ殺しを実行した殺人鬼が姿を消し、毎年ハロウィンの日に町中で殺戮を繰り広げる殺人鬼を描くという、「もうそのまんま”ハロウィン”じゃねぇか!!!」と言わざるを得ない程にそのまんまな内容だったりします。w

本作の殺人鬼の”トリック”は、ブギーマンと違ってやたら機敏に走るし、まるでアクション映画の主人公張りにナイフ捌きがキレッキレで、”ワナオトコ”みたく殺人トラップも仕掛けたりとめっちゃ強い。
余りに強すぎる為に、警官2人を容赦なく刺しまくり無傷状態のままでクライマックスを迎えてしまったりする。
一応リアル系の作品なのに、出る映画を間違ってると言わざるを得ない。w

主人公は殺人鬼に追われる若者ではなく、彼を追う立場の警察側の人間だったりする。ここはちょっと珍しいね。
「ハロウィン」で例えるなら、ヒロインのローリーではなく精神科医のルーミスが主役の様なモンだし。
しかし、この警察達がモタモタしてるわ、一人になった途端殺人鬼に襲われ犠牲となるわ、負傷者を車に乗せて運ぼうとしたのにモタモタして車ごと潰される等、殺人鬼に翻弄っされぱなしで犠牲者は出るわであんまり役に立ってない。w

銃を持って、数も多いんだから、もっと多くの助っ人と応援を寄こすか、犯人を追う前に銃で撃ちなさいよ!!!
後、こんな凶悪殺人犯がうろついてるのに皆短銃しか持ってないし、警察ならもうちょい武装できなかったんか!?


そんなこんなで主人公側は殺人鬼に翻弄されながらも、どうにか決死の反撃に出て殺人鬼を倒すが、そこで殺人鬼の正体に関する衝撃の真実が明らかになる!!!
一応これから見る人の為にネタバレは伏せますが、個人的には「何だそりゃ!?」と言いたくなる様な正体で、それならジェイソンやブギーマン的な存在であった方が寧ろスッキリするような、そんなガクッと来るような感じでした。w
それでもここからの反撃展開は今まで一方的にやられてた事も相まってそれなりにスッキリはできたんですがね。
(ラストの「俺たちの戦いはこれからだ!!」からの「お前生きとったんかワレ~!!!」なオチも好き。)


肝心のスプラッター表現だが、あるにはあるんだが「ブラッディ・バレンタイン 3D」程派手では無かったかな…。
死人はかなり多く、結構な血みどろだが、ナイフで刺すシーンは血糊オンリーだし、傷跡メイクだと分かる場面も少ない。
グロゴア的に良かったのはトラップで首と指がチョンパする場面や、車の中の人間を墓石で潰す場面、寝てると思ったらベッドの下で内臓がはみ出てる辺りかな。
殺人鬼の暴れっぷりや殺しのアイディアに関してはまずまずだったけどね…。それも殺人鬼の真相が明らかになると途端に尻すぼみに感じてしまうのが残念…。



こうして書くとかなり文句多めではありますが、スラッシャー映画として見せ場はそれなりにあるし、殺人鬼の正体の謎で物語を引っ張る展開も案外悪くないのでそれなりに見れるし、クライマックスの一味違う展開も荒いながらもそれなりに面白かったので、文句を言いつつも案外飽きずに見れましたね。

気になる点やアレな所こそ多いものの、この手のスラッシャーとしてはそこそこに楽しめました。
まぁ、月末に上映されるアレまでの繋ぎや露払いや前菜とかにはなると思う(爆)ので、気になる方はあんま期待しないでどうぞ。