てるる

ツングースカ・バタフライ-サキとマリの物語のてるるのレビュー・感想・評価

3.5
主演の亜紗美さん、他の作品でチョイチョイ見かけるくらいで詳しく存じ上げなかった女優さん。

今作が引退作なんだとか。

前歴のある元自衛官マリ。
オープニングで見せる白タンクトップの後ろ姿が既に強そう。
美しいお顔とのギャップ!

万引きキッカケで出会ったマリの境遇にシンパシーを感じて仲良くなるが、その母親の恋人が怪しい男で…

万引きはダメ!ゼッタイ!
万引きが原因で店が潰れることだってあるんだから…とはいえ、この映画で描かれるように食べるお金もない子供はどうすれば。

母親のネグレクトに無戸籍という社会のセーフティネットからこぼれ落ちた子供。

根本的にはそこを救いあげないと。
それこそ長澤まさみの「マザー」みたいなことも現実にあるわけで。

でもマリが万引きする以外は素直で良い子。
盲目的に母親が好き、と言ってしまうのが切なすぎる(꒦ິ⌑꒦ີ)
演じる子役も初めて見たけどヒロインに相応しい可愛いさだし、演技もそこそこ上手かった。

これはある意味でヒーロー映画なのです。
亜紗美さんのアクションシーンは本格的。
ちゃんと打撃を加えてる感があって良き。

そのあたりはリアルなのに、時折そこで後ろから殴られたらどーすんだ!ていう悠長なシーンがあるのはもったいない。

悪役もちゃんと悪役してる。
人間的なモラルが欠如してる感あって生け花のシーンなんかは上手い。

ストーリーはもう一歩踏み込んでも良かったんじゃないかとは思うけど(あらすじがほぼ全編だし)、泥だんごや指輪の使い方なんかは好き。

ラストシーンのバイバイの仕方がカッコ良かったよ!
小粒だけどなかなか見応えのある作品だった。

以下、ネタバレあり。











ラストであのサイコボスを見逃したのがモヤる!
もちろん殺しちゃったら殺人罪で逮捕とかになるかもだけど、報復とかされそう…

マリはおそらく施設に預けられたのかな?
この子は母親を反面教師にして、ちゃんと幸せになって欲しい。
てるる

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