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ドロステのはてで僕らのediのレビュー・感想・評価

ドロステのはてで僕ら(2019年製作の映画)
4.5
「サマータイムマシン・ブルース」のヨーロッパ企画の面々が、またまた”時間”をひねくり回して頭がこんがらがる映画を作った。

「所さんの目がテン!」でおなじみの、からくり作りの酒井君や、原始人体験で丸木舟を作ってた石田剛太さんも、当たり前だが、ここではちゃんと俳優だ。


ある日突然、部屋のテレビが2分後を映すようになり、さらに階下のカフェのテレビが2分前を映すようになることからハチャメチャなドラマが展開していく。

いきなりの奇妙な事態に、カフェの店長や店員や常連客などが、ちょっと驚きこそすれ、現象を理解し、順応していく様はすばらしい。
本来なら、なかなか受け入れられなくて、そのためにすったもんだがあってもいいのだが、そういう面倒くさいことを一切省いているところが、なんとも潔いではないか。

ドロステとは一枚の絵の中にその絵を描くことにより、入れ子状態に延々と続いていくこと。
元々は「ドロステ・ココア」のパッケージに、そのココアの箱を持った人物が画れていたためにその名がついたと言われていて、この作品の中にもそのココアが出てくる。

しかし、たった2分後が分かることで何が出来るだろうか。
映画「NEXT」では2分後が見える能力を持ったニコラス・ケイジが、テロリストと闘ったりしていたが、この作品では、能力ではなく2分後が映るモニターなので、アクションは難しいかなと思っていたら、意外に役に立っていた。

こんなものを手にしたら当然そうなるだろうが、この作品の中でも金儲けにならないかと、いろんな案を出していた。
すぐに思いつくのは、やっぱりギャンブル。でも、競馬は2分じゃちょっと厳しそうだ。

そこで私はカジノならどうだろうと思いついた。マカオかどっかに一人派遣して、ルーレットの出目を電話で教えてもらい、2分前の人に教えて、その人がカジノに電話して賭けてもらう。無理かな。

まあ、ギャンブルは無理でも、デイトレードなら2分後が分かれば大儲けできるのは間違いない。
こんなテレビ、欲しいものだ。
edi

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