炭酸煎餅

カラー・アウト・オブ・スペース 遭遇の炭酸煎餅のレビュー・感想・評価

3.6
H.P.ラヴクラフトが原作の小説の映画化……つまりクトゥルフ神話シリーズの映像化作品、という事なので鑑賞。

なんだか微妙微妙言われてるらしい?と聞いていたのですが、実際に観てみたらむしろ日本人の感覚に合いそうな、「何かがおかしい」がじわじわと這い寄ってくるタイプの非常に湿度の高いホラーでした。

ニコケは主演ではあるものの"主人公"という立ち位置ではなくて物語的には特定の視点人物がおらず、言ってみれば「状況」そのものが主役といった感じのために観客からすると「異変」が起こるまでは大分地味なんですが(実際観終わってみてもここもうちょっと短くてよくない?という感はある)、いざ事が起こってから異変が加速度的に遠慮しなくなっていき、状況が最終的な結末を迎える様子はある種のカタルシスがあったように思われました。
「遊星からの物体X」や「トワイライトゾーン」とも通じるような雰囲気があり、そういった空気感の作品が好みの方にも結構合うのではないでしょうか。(あと、「いい感じのB級ホラー」感も)

原作は未読なので直接比較はできないのですが、一般には「日本人が読んでも怖さがよくわからない」と言われるクトゥルフ物を映像化したらむしろ"Jホラー"(個人的にはこの呼び方あんまりしっくり来ないんですが)に近いテイストの映画になっていたのは面白いな、と思いました。
炭酸煎餅

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