オトコ目線で観たら死にたくなる映画ですよ、これは。
「女の夢は男にとっての悪夢」とはまさにこのこと。女性であっても主人公に共感することは難しいかもしれませんが、映画としては間違いなく良作でした!
50代の女性が年齢も容姿も経歴も何もかも偽って、SNSで若い男の一本釣りを試みるというお話ですが、相手の男にしてみればこれはキッツイ。
スカヨハみたいなセクスィー美女を期待していたのに、実際会ったらスカヨハとは似ても似つかぬ50代のオバハンだとして、それを受け入れられる男というのは、よほど相手がいない男か、カネに困ったヒモ気質の男でしょう。
でも、そうではなく、純粋にありのままの自分を愛して欲しいという願望が主人公クレールにはあります。たとえ、年齢も容姿も何もかもがFacebook上のものとは違っていても、相手の若い男には自分の内面を愛して欲しい、と。
女性が何歳になっても美しくありたい、愛されたい、と思うのは当然のことですが、「それはやりすぎでは・・・」と、共感が得られにくいであろうのがこれらのクレールの行動です。狂気をはらんだお花畑思考とも言えるでしょう。
で、観客はあくまで他人事のスタンスながらも「さすがおフランスの女はアグレッシブ」とヒヤヒヤしながら観ることになります。