辰巳のはむのレビュー・感想・評価

確かに日本なのに日本ではないどこかのようで、泥臭いのに洗練されていて、湿度があるようで渇ききっていて…と不思議な質感の作品。
自分が誰かを救うことができるなんて微塵も思っていない、諦めと絶望に支配された辰巳の表情がふと揺らぐ瞬間も印象的。役者さんが全員素晴らしかったです。

監督さんの作家性なのか、暴力的で破滅的な内容であってもどこか品とか優しさを感じました。
個人的にはもっと下品で愚かで醜くて辛い、そんな濃い味付けの方が好みかも。えへへ。